2018年 07月 08日
沸々と 2
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RICOH GR DIGITAL

昨日読了した本・・・石黒曜著「死都日本」

ある日、九州の霧島(加久藤カルデラ)が破局的な大噴火を起こし、パニックに陥る日本を描いた近未来SF小説。2002年に発表されたらしい。
事前にこの大惨事の起こることをある程度予測し、被害を軽減すべく首相を中心に極秘の作戦「K作戦」が進行する、という筋立ては小松左京の「日本沈没」と、その作中における「D計画」を連想させる。偉大な先達へのオマージュという意味もあろうか。
しかし、残念ながら作家としての筆力で小松左京には遠く及ばない。火山噴火や火山にまつわるウンチクは面白いのだけど、それ以外の部分に小説としてリアリティが感じられず、読み進むにつれておもしろくなくなる。小説としては今一つ、いや今二つ。
とはいえ、日本沈没がプレートテクトニクスというものを日本人に知らしめたのと同様、カルデラの破局的噴火を描いたという点でこれは画期的な作品かもしれない。筆力については、これがデビュー作だそうだから、小松左京の日本沈没と比べるのは実は気の毒なところではある。

ちなみに、九州にはいくつかカルデラがあるけど、作品中で噴火を起こす加久藤カルデラにある新燃岳は最近活動が盛んだし、姶良カルデラの外輪山である桜島は今も昔も盛んに噴煙を上げている。先日NHKで放送された「滝沢秀明の火山探検紀行」という番組によれば、鹿児島の南の海にある鬼界カルデラは、今も海底で沸々とお湯を沸かしているそうで、その外輪山である薩摩硫黄島は堂々たる活火山である。
昔の人がいった「地震・カミナリ・火事・親父」に火山が含まれていないのは、巨大噴火が起こるタイムスパンが大きすぎるためであったり、火山活動が飢饉をもたらしたり、世界史上の大事件の遠因になったりしていることに気づかなかったためであろう。
地震も怖いが火山噴火は想像以上に怖い。

「沸々と」の1はこれ



by tajiri8jp | 2018-07-08 17:17 | RICOH GR DIGITAL | Comments(0)
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