RICOH GR DIGITAL
―ブレンドは神秘である。
という言葉がある。竹鶴はイネス工場長の下でその意味をじっくり噛みしめることができた。モルト・ウィスキーが造られたのち、樽の中で眠りながら成長するのが、時と自然の恵みによるものだとすれば、各種モルト・ウィスキー同士を混合し、グレイン・ウィスキーとブレンドする技術は、ブレンダ―の鼻のみが行う魔術といっていい。
(川又一英著「ヒゲのウヰスキー誕生す」より)
現在読書中の本から。癖の強いモルトウィスキーが、ブレンドによって見違えるほど旨くなることがあるらしい。なるほど。そもそもモルト・ウィスキーをなんでブレンドするのだろうと、以前にサントリーの山崎蒸溜所を見学したときからずっと思ってたのである。そんな疑問は工場見学した時点で解決せえよ、という話だけども。
しかし、こういう本を読むと、またサントリー「山崎」とか、この際はニッカ「竹鶴」を飲んでみたくなる。が、飲むとすぐに気分が悪くなるのはわかったことである。返す返すも、あともう少しだけ、酒の飲める体に生まれたかった。
写真はサントリー山崎蒸溜所で。
ちなみに、このすぐ近くにある大山崎山荘美術館は、自分たち夫婦の思い出の場所なのである。どうでもいいことながら。
それまで別々の人生を歩んできた男女も、結婚というブレンドによっていい味を醸し出すことができる。