OLYMPUS STYLUS 1
英国は世界ではじめて、大量の石炭を用いてエネルギー革命を起こし、産業や生活を急速に近代化した国だ。かつてはどの家も暖炉で石炭をあかあかと燃やし、煙突から煤黒い煙を吐き出していたSL国家であった。
その煙突は、現在はほとんど使われていない。
(玉村豊男著「ロンドン旅の雑学ノート」より)
前日のエントリで「霧の都」のことを書いたけど、ロンドンを霧の都たらしめていた原因の一つが、つまりどの家にもあるこうした煙突ということである。集合住宅の屋根の上にずらりと家の数だけ並んだ煙突は、今なおロンドンという都市のスカイラインの特徴であるといっていい。
ただ、もう煙を吐き出すことはないそうなので、
ベネチアが水の都で、パリや
フィレンツェが花の都であるのは変わらないとしても、霧の都ロンドンは過去のもののようである。