
RICOH GX200
転車台に乗った8620形蒸気機関車。
このサイズの写真ではわかりにくいが、機関士は誇らしげに右手を挙げている。
考えてみれば、蒸気機関車というのは、石炭を燃やして蒸気を発生させる大きなボイラーが台車に乗っかっているだけのもの、ともいえるのに、それがこんなに人の心を捉えるのは不思議なことである。
蒸気機関車は人間臭い乗り物である、とはよくいわれるけれども、走る理屈が、一般的な人間が理解できる範囲におさまっているというのも好まれる要素としては大きいのかもしれない。
原子力発電も目的は違えど蒸気を動力にするという点では同じなのに、燃料が石炭ではなくウランになると途端にこれは多くの人にとって近寄りがたい、むしろ遠ざけたいものになってしまう。
もしも放射線が人間にとって有害でなければ、原子力機関車なんてのも作られて、こうして多くの人から愛されたかもしれないのに。