LeicaIIIc SUPER-WIDE HELIAR 15mm F4.5
旧日本海軍司令部壕の前から那覇市街を望む。
すぐ下に見えるのは、沖縄独特の墓、亀甲墓である。
亀甲墓というのは本来はこのように、丘の斜面に横穴を掘るものらしいが(玉陵もそうだ)、集合墓地へ行くと、まるで住宅地に一戸建てが並んでいるかのように、家の形の墓が並んでいるのを目にすることができる。
その景観はまるでカイロにある死者の街のようである。
死者の街といえば、「深夜特急」(沢木耕太郎著)に、夜、小さな家が建ち並ぶのに誰も住んでいないところへ迷い込んでしまい、ゴーストタウンかと思ったら墓地だった。といったような話があって、読んだ当時はホンマかいな、と思ったものだが、後に自分もカイロに行ったときに見て、なるほどと納得したのであった。
沖縄の墓も初めて見る者には驚きである。戦争中、米軍がトーチカと間違えたというのももっともだ。