
RICOH GX200
並河靖之七宝記念館で。
並河靖之は明治期の七宝焼の名工。
記念館に展示されている七宝の作品の中には勲章があるのだけど、それを見て思い出したことが。
以前の職場に、昔は造幣局に勤めていたという方がいらっしゃったのである。その方が若かった頃、造幣局の上司と祭りの夜店に出かけてみると、骨董品など雑多なものを並べた店に見覚えのある勲章が置いてあったそうだ。もちろん、勲章を作っているのは造幣局である。
まさかと思いつつも手に取って眺めると間違いなく本物で、職場に戻ると誰に贈られたものかわかるので、ちょっと調べるとどうやら勲章を受けた方か家族の方かが、どこかに売りに出したものらしい。造幣局の人間としては、せっかくもらった勲章を売りに出す人もいるのかと、軽いショックを受けたという話である。
ところで、新緑の京都の庭はどこも美しいが、個人的には冬の京都が好きである。風花が舞うような底冷えのする街を歩くのが結構好きだ。
「京都の旅は冬がいい」と古い歌謡曲にもあったくらいである。
「風花舞った清水の 舞台に遊んだ冬の日の恋」というのは学生時代に愛用した京都のガイドブックに載っていた詩の一節。