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2017年 12月 11日
瀬田の唐橋
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日本において、歴史上その名がよく知られた橋という点では盧溝橋に匹敵するだろうか。瀬田の唐橋である。琵琶湖八景の一つとしても知られる。

琵琶湖は、日本一大きな湖でありながら、法律上は河川なのだそうだが、その南端から流れ出る瀬田川に架かる橋である。
古来、京都の奪い合いをしてきた日本の内戦において、この橋は戦略上の重要施設となってきたため(橋が戦略上重要であるのは今も昔も同じだけど)、「唐橋を制する者は天下を制する」という俗諺も生まれたりした。そういえば自分が一番好きだった戦国武将である武田信玄の遺言は、「瀬田に武田の旗を立てよ」というものだった。
さりながら、京都を制して守る側に立ったものがここで戦うと、
「古来、宇治・瀬田の両川を守って勝ったためしがない」 といった。そのとおりであった。源平争乱のころ、源三位頼政が宇治川をまもって敗死し、木曽義仲も、京を守備しようとして瀬田川に進出して義経軍をふせごうとしたが敗れた。一例として成功したためしがないのである。(司馬遼太郎著「城塞」より)
ということになるので、つまり常に攻め込む側が勝つのであった。
信玄もここに武田の旗を立てることができたとしても、その後どうなったかはわからない。

現在ある瀬田の唐橋は、その風雅なイメージと違って、クルマがどんどん走る、鉄筋コンクリート製の橋である。その点では嵐山の渡月橋に似ているといえる。
もちろん、それは今も交通の要衝であることの証拠ではある。

ちなみに、姫路城の大手門の前にかかる橋も意外や鉄骨造であった、という話はこれ



by tajiri8jp | 2017-12-11 06:09 | OLYMPUS PEN E-P5 | Comments(0)
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