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2017年 03月 16日
神戸散歩 戦没した船と海員の資料館
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Panasonic LUMIX LX100

先月、神戸市東灘区にある軽自動車車検協会に行ったおり、ついでに元町にある「戦没した船と海員の資料館」へ行ってきた。
太平洋戦争中に沈められた船にまつわる資料が展示してあるところで、前から一度入ろうと思っていたのだけど、平日しか開館していないものだから、なかなか叶わなかったのである。

太平洋戦争で沈められた船といえば、つい軍艦にばかり目を向けがちだけども、数的にそれよりも多く沈められたのはもちろん一般の輸送船などである。数多くの船が軍に徴用されたりして兵士や物資を運ぶ危険な任務にあてられ、しかし開戦からほどなく日本は制空権も制海権も失い、そのうえ、そもそも日本海軍は船団護衛という思想を持っていなかったから、ほとんどが丸腰のままで飛行機や潜水艦によってどんどん沈められたわけである。
政府発表によれば、戦没した船の数は官・民の一般汽船が3500隻以上、漁船などを合わせると7240隻。犠牲者は軍人・捕虜を含めた総数が231600名にものぼるらしい。
中でも痛々しいのは、殉職した船員60600名の多く(31%)が20歳未満で、14歳から16歳だけで11%、およそ7000名にもなることだ。
まだ中学生か高校1年生に過ぎない若者が、経験も技量も不足したまま海に出されて命を失っているわけで、係の方の話によれば、そういったことから遺族の多くは当時の国や軍への反感があり、そのためここには軍関係のものは一切置いていないのだそうだ。
あらためて平和の尊さを感じずにはいられない。

ところで、展示室には戦中に沈められた商船や客船の絵がたくさん飾られているのだけど、絵のタッチに見覚えがあったので、もしやと思い絵のサインを見るとやはりどれも上田毅八郎さんが描かれたものであった。ご存じの方はご存じのとおり、ウォーターラインシリーズというプラモデルの箱絵を描かれていた方である。
ウォーターラインシリーズは小学生の頃に何十隻と作ったので、少年時代を思い起こさせてくれる懐かしいタッチである。プラモデルの箱絵といえば小松崎茂さんも有名だけど、自分にとってはもうこの方しかないのである。
軍艦ばかりでなく、商船の絵も描かれていたとは知らなかったので、これは自分にとってちょっとした発見であった。プラモデルの絵だけでも相当な数にのぼるだろうし、民間の船も加えるとなると、相当たくさんの船の絵を描かれたことであろう。
ウィキペディアによればなんと亡くなられたのは2016年で、95歳没とある。昨年までご存命であったとは知らず。これも驚き。
画集が出ているそうなので、1冊買ってみようかと思案中である。



by tajiri8jp | 2017-03-16 18:56 | Panasonic LX100 | Comments(0)
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