OLYMPUS STYLUS 1
枚方市の鳥がカワセミというのはちょっと意外であった。もっとも、これが何の鳥であっても意外に感じるだろうけども。
ちなみに、我が地元を流れる
芦屋川でもカワセミは見られる。
カワセミは「渓流の宝石」なんていわれることもあるけど、一時期、自分もその美しさの虜になったことがあって、六甲山にある神戸市立森林植物園へクルマで何度も通ったことがある。広い植物園の奥に野鳥の観察舎があって、そこから時折カワセミを見ることができたのだ。
一眼レフ(当時はまだ銀塩)を乗せた三脚を据えて、カワセミが飛んでくるのを気長に待つのであるが、レンズはそのために買って今もたまに持ち出すミノルタの500mm反射望遠レンズであった。野鳥を撮るには暗くて短い、力不足といっていいレンズで、隣に本格的な超望遠レンズを持った方が来ると途端に恥ずかしい思いをすることになるのである。つまり
このときと同様、最新式のライフルで敵を狙っているアメリカ兵の横にいる、三八式歩兵銃を構えた旧日本兵といった気分である。しかし、幸いたいていは自分一人しかおらず、あまり気にはならなかった。
それでも500mmではやはり短いので、撮影するというよりは、それをもっぱら望遠鏡代わりにしてカワセミウォッチングをしていたところ、ある日、1羽のカワセミが見事なダイブで魚を捕らえると、その魚を枝の上でもう1羽のカワセミに渡す光景を見ることができた。カワセミの求愛行動であることを後で知った。
たとえ小さくしか撮れなくとも、何でシャッターを切らなかったか、と激しく後悔した。