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中米パナマでキハダマグロの完全養殖を目指している近畿大は24日、人工孵化(ふか)させた稚魚を、沖合のいけすで幼魚まで飼育することに世界で初めて成功したと発表した。
(9月25日 読売新聞)
近畿大学という大学が、全国的にはどの程度の知名度があるのか知らないが、ここは今では養殖マグロで有名なのである。「近大マグロ」はすでに一つのブランドといっていいかもしれない。自分もどういうわけか、奈良市内の店で食べたことがある。味は普通のマグロである。
ちなみに、この養殖のマグロと天然物のマグロを、目隠しをして食べ比べ、味だけで判別することができるか、という某テレビ番組のチャレンジで見事勝利した方が握っている寿司店が青森県の大間にあって、そこで天然物のマグロ食べたという話は
こちらである。
シルバーウィークという名の連休中のある日、遠くへ出かけるお金も体力も自分にはないので、自宅から電車で1時間ほどの距離にある近畿大学の周辺を散歩したのである。
実は自分は高校3年生のとき近畿大学を受験したことがあって、この大学へやってきたのはそれ以来のことである。受験した結果は一応合格だったのだけど、入学はしなかった。近畿大学の方や卒業生の方には申し訳ない話ながら、自分がここを受けた理由はいわゆる滑り止めですらなくて、単に入試本番の雰囲気に慣れるというのが目的であった。
入試の日、大学へ向かって門前を歩いていると、商店街に「サボール」という名の喫茶店があった。まさに「学生街の喫茶店」だったわけだが、その名を見たとき、あこがれの大学生活が急に具体的に見えてきたような思いがしたのを覚えている。その店がまだあるのか、あれば入ってみようと探しながら歩いたのだが、見つからなかった。
もしもあのとき、この大学に入っていたら自分の人生はどう変わったろうか、と自分が通った大学よりもはるかに立派なキャンパスを歩きながら、つい考えてしまった。
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