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2011年 11月 03日
文化の日
文化の日_c0181552_8512097.jpg
MINOLTA a-9

広田は賞勲局に命じ、この「文化」のため勲章制定に意欲的に動いた。当然、勲章を占有視している軍部の妨害が予想されたが、広田は、何が何でも実現しようと思った。
このため、ぐずといわれている広田だが、いちはやく参内して天皇に御説明し、御内意を得た上で閣議にかけるという強行手段に訴えた。
天皇はよろこんで賛成された。
「政治上のことでないから、自分の意見を述べてもよいだろう」
といわれ、リボンの結びの桜について、
「桜は軍人がいろいろ用いているから、右近の橘、左近の桜だから、橘にしたらよかろう」
とのアイデアを出された。
広田は、そのお言葉を心の中で何度もくり返した。
天皇はまた、「文化は永遠であり、散りぎわの美しさを示す桜で代表させるべきではない」
という意味のこともいわれた。
こうして、白く簡素な橘の花が、文化勲章に用いられることになった。
(城山三郎著「落日燃ゆ」より)

4年前のエントリから再掲載。
「文化は永遠であり、散りぎわの美しさを示す桜で代表させるべきではない」というお言葉がちょっと印象的であった。



by tajiri8jp | 2011-11-03 08:49 | MINOLTA α-9 | Comments(10)
Commented by pubcom156 at 2011-11-03 10:19
こんにちは
「文化は永遠であり、散りぎわの美しさを示す桜で代表させるべきではない」とは、素晴らしいお言葉ですね。そして、天皇という存在が日本国民にとってどれだか重要なのかがわかるお話です。
Commented by t-aran at 2011-11-03 14:10
文化は永遠であり、散りぎわの美しさを示す桜で代表させるべきではない・・・すごい名言。。
これはかなり胸に残る言葉ですね。
文化は永遠。。。そうあって欲しい。
Commented by a1photo at 2011-11-03 18:01
ふーん、勉強になった。
文化をつくる人の方は、散り際の美しさの方がいいかもね。
Commented by 不思議な世界旅行 at 2011-11-03 18:43 x
私も本日は文化的に写真鑑賞&ブログの更新などしています。
勲章への道はまだまだ険しそうですが。
Commented by takko at 2011-11-03 20:53 x
素晴らしいお言葉ですね。
「日本」・・大好きです!
Commented by tajiri8jp at 2011-11-04 04:40
pubcom156 さま 
おはようございます。
昭和というのは戦争の時代でもありましたが、その中にあって文化というものに心を注ごうとされたことがわかるエピソードですね。
Commented by tajiri8jp at 2011-11-04 04:43
t-aran さま 
本当にそうですね・・。戦争はしてはいけません。
Commented by tajiri8jp at 2011-11-04 04:45
a1photo さま 
文化は継続されても、老害となる人はとっとと消え去るべきかもしれませんね。
Commented by tajiri8jp at 2011-11-04 04:45
不思議な世界旅行さま 
自分も同じくです(笑)。
Commented by tajiri8jp at 2011-11-04 04:46
takko さま 
はい、自分もやっぱりこの国が好きです。
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