OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6
ある男が殺人を犯した。
発見を遅らせるために死体をどこか人目に付かない場所に隠さねばならない。そこで、夜になるのを待って死体をクルマで運び、交通量の少ない山道から少し入ったところにある、小さな池に投げ込んだ。
帰ろうとしたとき、道に突然もう1台のクルマが現れた。
季節は晩秋でほとんどの木々は葉を落としており、見通しがきくため見つかるかもしれない。男は身を隠す場所に困り、咄嗟にその池の中に飛び込んでやり過ごすことにした。
ところが、やってきたそのクルマも池の近くに止まり、中から女が降りてきた。何をするかと思えばその女もまた、クルマから男の死体を引きずり出し、男の潜んでいる池に放り込んだのである。
目の前にもう一つの死体が入ってきて驚いた男はあわてて池から飛び出した。それを見た女は、死んだ男が生き返ったのかと驚き、これもあわててクルマに向かって駆け出した。
男は「待て。おれもあんたと同じだ。お仲間だ」と叫びながら追いかけ、逃げる女の腕を掴んだ。
女の足が止まり、男と目があったとき、二人の間には奇妙な連帯感が生まれようとしていた。
と、ここで目が覚めた。
昨夜見た夢である。夢なので思い出すと細かい部分では無理があるのだけど、こう書いてみるとちょっと短編のミステリーになりそうな気がしないでもない。
もっとも、夢に見るということは過去に読んだ作品に似たものがあったのかもしれない。
ちなみに現在読書中のミステリーは、講談社文庫「伊坂幸太郎選 スペシャルブレンドミステリー 謎 005」。